2023年1月から7月にかけて、はてなブログで連載されたWEB漫画『脳外科医 竹田くん』が、医療界内外で大きな注目を集めました。この作品は、兵庫県赤穂市の赤穂市民病院で実際に起きた医療事故をモチーフにしたフィクションであり、手術手技の未熟さによる連続事故と病院内の対応を描いた「医療ホラー」として評されています。作者は当初匿名でしたが、2025年2月5日に声明文を公表し、2020年1月22日に発生した医療過誤の被害者親族であることを明らかにしました。
漫画は全142話で、架空の「赤池市民病院」に着任した脳外科医・竹田くんが次々と医療事故を起こす様子を4コマ形式で描いています。止血不良、カテーテル操作の雑さ、神経損傷など具体的な描写が「リアルすぎる」と医師らから指摘され、連載中から話題となりました。作者は「現実の事故をモチーフにしつつ、フィクションとして再発防止を訴える目的で描いた」と説明しており、収益化や出版は一切行っていません。

赤穂市民病院で起きた医療事故の背景
赤穂市民病院脳神経外科では、2019年7月から2021年8月まで勤務した松井宏樹医師(当時)が関与した医療事故が複数発生しました。報道によると、着任後半年あまりで8件(一部報道では11件)の事故に関与し、うち2人が死亡、1人が重度後遺症を負いました。特に2020年1月の腰椎手術では、脊柱管狭窄症の74歳女性患者に対し、ドリルで神経を巻き込んで切断。手術映像には「信じられない視野」でドリルが作動し、神経が絡みつく様子が記録されており、検察側は「止血不十分で目視困難な状態での執刀」と指摘しています。
松井被告は2024年12月27日に業務上過失傷害罪で在宅起訴され、2026年2月9日の神戸地裁姫路支部初公判で「基本的に認めます」と起訴内容を大筋で認めました。被告は「手術の技量がなかった。執刀を辞退すべきだった」と述べ、上司の急かしを主張する一方、検察の追及は厳しく、傍聴者からは「修羅場」との声が上がっています。
民事では、被害者家族が松井被告と赤穂市を提訴。2025年5月14日、神戸地裁姫路支部は被告と市に約8900万円の賠償を命じる判決を下しました。
漫画と現実の接点、そして訴訟の行方
作者の声明文によると、漫画は赤穂市民病院の事故を基に「なぜ同一医師による事故が多発したか」「検証が適切に行われなかったか」「日本脳神経外科学会から専門医訓練施設の認定停止処分を受けたか」をテーマに描かれています。フィクションながら、事故の詳細や病院内のトラブル(手術禁止後のパワハラ提訴など)が現実を反映しているとされ、医師らから「関係者が関与しているレベルでリアル」と評価されました。
一方、松井被告側は漫画を名誉毀損として発信者情報開示を請求。作者は2025年3月、大阪地裁に「名誉毀損に基づく損害賠償債務不存在確認」を求め反訴しました。作者側は「公益目的の告発」と主張し、被告側は「事実に反する」と反論。訴訟は現在も継続中です。
医療界への影響と再発防止の課題
この事件は、医療事故調査制度の限界や病院の隠蔽体質、問題医師の転勤問題を浮き彫りにしました。NHK「クローズアップ現代」では関連特集後、100件超の医療事故告発が寄せられ、再発防止策の議論を呼びました。日本脳神経外科学会による認定停止処分は一定の抑止力となりましたが、医師免許剥奪には至らず、被告は「臨床医として復帰したい」と述べています。
赤穂市民病院は事故後、体制見直しを進めていますが、被害者家族の苦しみは続きます。漫画『脳外科医 竹田くん』は、単なるエンターテイメントではなく、医療の透明性と患者安全を求める警鐘として、今も読み継がれています。
医療事故は誰にでも起こり得る可能性を秘めています。患者側はセカンドオピニオンを積極的に活用し、医療機関は厳格な検証と早期介入を徹底する必要があります。この事件が、医療界全体の安全文化向上につながることを願います。

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