日本フィギュアスケート界で今、最も注目を集めるペアといえば、三浦璃来選手と木原龍一選手による「りくりゅうペア」です。2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックでの金メダル獲得をはじめ、世界選手権優勝、グランプリファイナル複数回制覇など、日本ペア史上最高レベルの成績を次々と更新しています。
そんな彼らの演技を見ていると、木原選手の左目に特徴があることに気づくファンが少なくありません。幼少期から続く先天性内斜視という状態です。この記事では、単なる外見の話題に留まらず、斜視という視覚特性がトップアスリートの立体視・空間認識にどう影響し、それをどう克服して世界最高峰のペア演技を実現しているのか、深く掘り下げて解説します。

斜視とは何か? 木原龍一選手の場合
斜視(しゃし)とは、両目の視線が同じ一点に揃わず、片方の目が内側・外側・上側などにずれてしまう状態を指します。日本人の有病率は約2〜4%程度とされ、特に内斜視(目が鼻の方に寄るタイプ)は幼少期に多く見られます。
木原選手の場合は先天性内斜視で、3歳前後の写真でもすでに左目が内側に寄っていることが確認されています。これは生まれつきの眼筋バランスや神経系の特徴によるもので、後天的な病気やスケート練習の影響で生じたものではありません。
多くの内斜視の場合、強い遠視が関与していることがあり、近くを見るときに過剰に調節しようとして目が寄ってしまう「調節性内斜視」も存在します。木原選手も幼少期から眼鏡を常用していた記録があり、このパターンに近いと考えられます。
斜視がもたらす視覚的特徴とアスリートへの影響
一般的に斜視があると、両眼視機能(両目で同じ像を脳に送り、立体視を得る能力)が十分に発達しないケースが多くなります。つまり、奥行き感や距離感が通常よりも得にくくなるのです。
フィギュアスケートのペア種目では、以下のような場面で高度な空間認識が求められます。
- スロージャンプ:パートナーを投げて回転させ、正確なタイミングで受け止める
- リフト:女性を頭上高く持ち上げ、回転やポジション変更を行う
- ツイスト:2人で同時に跳び、空中で絡み合いながら回転
- デススパイラル:女性がほぼ横倒しになりながら円を描く極限のバランス技
これらはすべて数センチの誤差が転倒や大怪我に直結する超精密作業です。片眼視に近い状態でこれだけの精度を出すためには、通常の選手以上に単眼視覚情報+前庭感覚+筋肉感覚+長年の経験を統合する能力が磨かれていると考えられます。
実際、木原選手の演技を見ると、特にリフトやスローの入りと出の精度が異常に安定しています。これは「立体視が弱い分、他の感覚を極限まで鍛え上げた結果」とも解釈できるのです。
手術をしない選択 現役続行の現実
斜視は眼科的手術(眼筋調整術)で見た目を改善できるケースがほとんどですが、木原選手は現在まで手術を受けていません。その主な理由は以下の通りです。
- 競技中の視機能変化リスク 手術後は一時的に複視(二重に見える)が生じたり、遠近感が大きく乱れたりすることがあります。回復に数週間〜数ヶ月かかる場合もあり、現役トップ選手にとっては致命的なブランクになります。
- ペア競技の特殊性 片方の都合で数ヶ月練習を休めば、パートナーの三浦選手にも大きな影響が出ます。信頼関係とタイミングが命のペアにとって、手術は「二人同時のリスク」になるのです。
- 競技に実質的な支障がない 本人が何度も語っているように「演技に全く影響していない」ため、あえて現状維持を選んでいる可能性が高いです。世界王者になっても手術を急がない姿勢は、彼の現在の視覚・身体統合能力への自信の表れとも言えます。
りくりゅうペアの強さの本質 「ハンデ」を超えた絆と技術
木原龍一選手の斜視は、決してマイナス要素だけではありません。むしろ「普通とは違う視覚で世界を見ている」からこそ生まれた独自のタイミング感覚や空間把握力が、りくりゅうの唯一無二の演技スタイルを築いたと考えることもできます。
三浦璃来選手はインタビューで何度も「龍一さんとならどこまでも行ける」と語っています。9歳差、異なるキャリア、視覚特性の違い——それらすべてを乗り越えてきた2人の信頼関係こそが、日本ペア史上最高の成績を支えている最大の武器です。
まとめ 真の「ゲームチェンジャー」とは
りくりゅうペアの物語は、単なるメダル獲得の話ではありません。生まれ持った視覚的特徴を「ハンデ」ではなく「個性」として受け入れ、極限まで磨き上げた結果、世界の頂点に立ったアスリートの物語です。
木原龍一選手の左目が少し内側を向いていても、彼らの演技が観客の心を鷲づかみにし、リンクに魔法をかけることに何の変わりもありません。これからも、りくりゅうペアの挑戦は続きます。次はどの記録を塗り替えるのか——日本中が固唾を飲んで見守っています。

の結婚生活に新章!-大倉士門とのラブラブな日々と第1子妊娠発表.jpg)