カーリング女子日本代表「フォルティウス」のスキップを務める吉村紗也香(34)が、2026年ミラノ・コルティナ冬季オリンピックで初出場を果たした。北海道北見市常呂町出身の彼女は、小学4年生からカーリングを始め、ジュニア時代から「天才」と呼ばれた逸材だ。過去4度の五輪予選で涙を飲んできたが、2025年12月の世界最終予選で出場権を獲得。出産・育児と競技を両立しながら掴んだ切符に、「ママ頑張ったよ」と息子に伝えたいという思いを語った。チームの司令塔として、攻撃的な戦術と精度の高いショットでチームを牽引。母となった今、「もっと強くなった」と実感する吉村の軌跡を追う。

背景 常呂町で芽生えたカーリングへの情熱
吉村紗也香は1992年1月30日、北海道北見市常呂町(旧常呂郡常呂町)で生まれた。カーリングの聖地として知られる常呂町で、小学校4年生の時に体育の授業をきっかけに同級生らとカーリングを始めた。友人たちと結成したチーム『WINS』は、中学校・高校と進学先でも解散せず活動を続けた。
常呂町立常呂小学校(現・北見市立常呂小学校)から北見市立常呂中学校、北海道常呂高等学校へ。高校時代はバレーボール部にも所属しながらカーリングに打ち込み、2009年の全国高等学校カーリング選手権大会で優勝を飾った。同年11月にはバンクーバー五輪日本代表決定戦に挑んだが、チャレンジマッチで敗退。日本選手権でも2009年・2010年と準優勝に終わったが、10代から注目を集める存在となった。
2010年、札幌国際大学に進学。大学時代は日本ジュニア選手権3連覇(2010〜2012年)、パシフィック・アジアジュニア選手権3連覇(2011〜2013年)を達成。2013年の世界ジュニアカーリング選手権では銅メダルを獲得し、国際舞台での実力を証明した。また、冬季ユニバーシアード(2011年・2013年)にも出場し、2011年大会では4位入賞を果たした。
フォルティウス加入と五輪への長い挑戦
2014年4月、大学卒業と同時に北海道銀行に入行。広報部に所属しながら、北海道銀行フォルティウス(現・フォルティウス)に加入した。チームは2011年に本格活動を開始し、ソチ五輪では5位入賞を果たしていたが、吉村加入後は新たな時代へ移行した。
しかし、五輪への道は険しかった。2014年ソチ、2018年平昌、2022年北京と3大会連続で代表決定戦を勝ち抜けず。2020年5月には一般男性と結婚し、一時は家庭優先も考えたが、先輩選手の「一度休んで出産したら、また戻ってくればいい」という言葉に背中を押された。
2021年と2025年に日本カーリング選手権優勝を飾るなど、チームは安定した成績を残したが、メインスポンサーだった北海道銀行との契約終了(2021年11月)でクラブチーム化。スポンサーゼロの危機を乗り越え、メンバー間の支え合いで活動を継続した。
出産・育児と競技の両立 母としての復帰
2023年12月、長男を出産。産休・育児休暇を経て、産後2カ月で氷上に復帰した。社会医療法人柏葉会(札幌柏葉会病院)に所属しながら、午前は仕事、午後は練習というハードな日々。保育園への送迎、食事や寝かしつけをこなしつつ、家族やチームメートの理解を得て競技を続けた。
吉村はインタビューで「母になって、私はもっと強くなった」と語る。出産前は「負けず嫌いな性格と粘り強さ」が武器だったが、母となった今は「子どもの成長を動画で追う日々」が原動力に。2025年9月の日本代表決定戦でロコ・ソラーレを破り、12月のカナダ・ケロウナでの世界最終予選で悲願の五輪切符を掴んだ。涙を流しながら「良い報告ができることがすごくうれしい」と喜びを爆発させた。
ミラノ・コルティナ五輪での戦いとインパクト
2026年2月、ミラノ・コルティナ五輪が開幕。フォルティウスは初戦でスウェーデンに敗れ、続くデンマーク戦も延長戦の末に黒星。吉村は「前半は硬かった」「情報を得られた」と反省しつつ、「粘り強さも見えてきている」と前向きに振り返った。
スキップとして最終投を担う吉村の精度の高いドローショットと力強いスイープがチームの強み。チームメイト(近江谷杏菜、小野寺佳歩、小林未奈、小谷優奈)とのコミュニケーションを重視し、攻撃的な戦術で勝負を挑む。過去に北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレとライバル関係にありながら、互いに成長を促す存在だ。
五輪初出場は、常呂町のカーリング文化を象徴する。ジュニア時代からの天才が、母として大舞台に立つ姿は、多くの女性アスリートや母親に勇気を与えた。
今後の展望 金メダルへの強い意志
吉村は「世界一のスキップになりたい」「金メダルを目指す」と明確な目標を掲げる。チームは「金メダル」という共通ビジョンを共有し、イメージトレーニングを重ねてきた。出産後の復帰は、競技への情熱をさらに深めた。
五輪後のキャリアも注目されるが、まずは現役として結果を残す。母として、妻として、アスリートとして―吉村紗也香の挑戦は続く。常呂町から始まった物語が、世界の頂点で新たなページを刻む日が来ることを期待したい。

の結婚生活に新章!-大倉士門とのラブラブな日々と第1子妊娠発表.jpg)